難しい問題が自分の前に立ちふさがったときは、「貫通させるぞ」の精神で
どんな人にでも苦手な問題(教科)・相性の悪い問題(教科)の1つや2つはあるものです。でも、「合格する」を考えた場合、苦手、相性が悪いからと言って避けて通ることは出来ません。また、決して逃げてはいけません。そして、東京大学に合格した人は、その苦手を逃げずに克服してきた人達だということを理解してください。
では、教材を進めているとき、苦手な問題、それも手も足も出ない問題にぶつかったときどうしたらよいでしょうか?
もちろん逃げられません。ではどうするか?・・・・・・ウェルズでは、手も足も出ない問題に対する方法として、洞窟を貫通させる(トンネル工事)を例えに説明しています。
それは、いまあなたの目の前には、とっても堅そうな岩山が高々とそびえています。岩山を迂回して移動するのはとっても時間がかかり、とっても危険で大変そうなので、岩山の向こう側まで洞窟(トンネル、隧道、すいどう、ずいどう)を掘ることになりました。それも現代風のシールド(他力)で削っていく方法ではまったくなく、使う道具は、昔ながらノミ・のつるはし・鋤(すき)・鍬(くわ)・カナヅチなど(自力)で削るしか方法はないようです。そして今どう考えても目の前の大きな岩が簡単に削れるとは思えません。でもやるしかありません。
そこであなたは意を決して「当たって砕けろ!」と挑戦を開始しました。
でも、鍬はもちろんのこと、つるはしでおもいっきりたたいても、ただただ跳ね返されるだけで岩山はびくともしれません。岩山の堅さがつるはしから伝わり、手はとってもしびれています。つるはしを握る手はガクガクして力も入りません。
残された方法は、ノミをカナヅチでたたき削っていくしかないようです。さすがノミだと少しだけど削ることが出来ました。でも岩山は1センチも削れていないことが分かりました。こんな調子で岩山をくり抜くためにはどれだけ作業を繰り返さなければならないかと考えると、本当に気が遠くなりそうで、ついつい弱音を吐いてしまいます。
それでも、あなたは何度も何度も思いを新たにし、くじけず、まけず、根気よく、自分の力を(可能性を)信じて作業をやり続けました。
そして作業を続けていると最初、不慣れだったノミ、カナヅチの使い方も大分慣れ、力加減のコツも段々分かってきました。慣れとは大切なもので、最初、3時間かかっていた削るペースが、気がついたら15分で出来るようになっていました。
掘る手順は、最初は、目の前の岩をノミ太さぐらいの細い穴を深く削り、そしてある程度穴が、深くなったら穴の周りの岩を削り、最後は人が通れるほどの穴に広げます。それから更に、一歩進んで、目の前の穴をノミ太さぐらいの細い穴を深く削り、穴の周りの岩を人が通れるほどの穴に広げるという作業を延々繰り返します。本当に気の遠くなるような作業ですが黙々と続けるのです。続けるしかないのです。
そして作業を続けた結果、岩山が貫通するという待ちに待ったその時が訪れます。その時は必ずきます。
どんな岩山でも必ずいつかは貫通します。あとは、たとえ最初は1センチの穴でも貫通させることができれば、後は周りを削って太くしていくだけですから、貫通する前と比べてその作業ははるかに楽になります。
根気よく自分を信じて続ければ、どんな岩山でもいつかは貫通します。
「雨だれ石をうがつ(あまだれいしをうがつ 力なき人でも、長い間根気よく努力をすれば最後には成功するということ)」の精神です。雨だれだって時間はかかるけど岩でも削れるのです。ましてやこの地球上で最も多くの能力・可能性を与えられた人間に出来ないはずはありません。
ですから難しい問題があなたの前に立ちはだかったときは、これと同じで要領で、同じ心構えで事に当たってください。どのような難問でも、ほんとうに苦手な問題(教科)であっても、何度でも何度でも当たっていけば、貫通しないはずはありません。いつかはかならず貫通します。
そして、貫通したら何度も繰り返して、完璧な洞窟トンネルに仕上げてください。(トンネルに仕上げることは忘れないでください。せっかく貫通したのですから)出来たら大型バスでも通れるような完全舗装の立派なトンネルに仕上げてください。
最後に、たとえ一度は難しいと思った問題でも、上記のように貫通させ、トンネルにしてしまえば、あなたにとって難しい問題ではなくなり、ただの常識問題となります。