P03_2

ケアレスミスをなくす、解けない問題をなくす有効な方法

「東京大学に合格する方法は?」と聞いて、相手が「それは、東大の入試で間違いないことだよ」と答えたら、何をふざけたことを言ってあなたは怒りますか?「そんなの当たり前」と言って呆れますか?
でも、「入試で間違えないこと」とは「入試の問題を正解すること」と同じ意味であると理解いただきたいものです。
つまり、大学の合格を確実なものにするためには、入学試験の問題を間違えなければいいことなのです。
本当に当たり前のことですが、問題を間違えなければ合格できるのです。

では、問題を間違えないようにするにはどうするか?

それは、日頃から間違えた問題、ケアレスミスを確実につぶして行くことを実行することです。それに尽きます。これからは間違えた問題、ケアレスミスの原因を究明して克服しなければなりません。

では、間違えた問題、ケアレスミスをつぶして行くにはどうするか?

そこで非常に効果的な方法として、前述の教材をやり尽くす方法で完璧にするとともに、有効なのが以下に記す間違いノートの活用です。

教材をやり尽くす方法と間違いノートの有効利用で学力は飛躍的に伸びます。

間違いノートのすすめ

間違いノートというものをご存じですか?

間違いノートというのは文字通り、受験勉強や模擬試験で間違えた問題、ケアレスミスをしてしまった問題を、どうして間違えてしまったか、どこの部分を間違えたかケアレスミスしたか、どこの部分が原因で間違えてしまったか等を分析し、今後、同様の問題で同じ間違いや同じケアレスミスをしない為の対策、ポイントをまとめたノートのことです。

大学受験の勝ち組では比較的当たり前の様に作られている間違いノートですが、意外と知らない大学受験生は多いようですので、よかったら参考にして見てください。

そんなもの作ってる時間があるなら、一問でも問題を多く解いたほうがいいと考える人もいると思いますが、そういう人こそ是非、間違いノートをつくってもらいたいものです。後述しますが、むやみやたらと間違いノートにしていくのではなく、本当に必要なところだけを間違いノートに作成すればよいので、そんなに手間がかかるものではありません。間違いノートを実際の受験勉強の中で組み入れ活用すると、思いの外その効果が大きいものであることが後々できっと分かってもらえると思います。

また、間違いノートを作ったら、機会あるごとに、時間が空いたときなどに一寸でも見直すのは効果的でありかつ必要なことです。特に通学の電車の中、毎朝の朝学習の時などはもとより、本番(模試も含む)の試験会場に向かう電車の中、試験会場での試験の前の緊張した時など、普段見慣れている(使いこなしている)ノートを見ることは、短い時間でノートに集中できることにより、試験の緊張を解きほぐす効果があり、まさにうってつけです。(但し、中途半端な未制覇な状態のノートは、準備不足の露呈を実感することにより却ってあせって緊張を深めてしまうかもしれませんので、ほぼ完璧の間違いノートを持って試験に臨んでください)

間違いノートの見直しは、なにより自分が、自身の言葉で、自分が一番わかりやすく作ったものですから、見直す時間も短く済みます。 また、後述している復習日には必ず、見直し復習してもらいたいものです。

これを日々地道に繰り返すだけでケアレスは減り、いつも間違えていた問題も攻略、制覇することが出来ます。

間違いノートの作り方は

間違いノートは少なくとも教科ごとに1冊は作った方が良いと思います。また、単元・分野ごとに分冊して作る場合もあると思います。

まずはA5、B6サイズくらいのルーズリーフをご用意ください。普通の大きさのB5サイズよりは、A5、B6サイズのひとまわり小さなサイズが丁度いいと思います。また、ルーズリーフだと後でふやしたり(間違いノートが何ページになるかは作ってみないと分かりません)、単元分野ごとなどに仕切りを入れたり、制覇した復習の必要のなくなったページ(これはあなたの努力の結晶ですので、少なくとも受験が終わるまで=東京大学に合格するまでは、別なところに大事にファイルしておいてください)を外すことも可能であり便利だからです。もちろん大学ノートでもかまいませんし、大きさも一般的なものでかまいません。要はまず始めることが大事であり、自分の好みのもので、あまり形式にはこだわらない形でまずは始めることが一番重要です。
そして、間違いノート作りを始めるに当たって、1つの間違えた問題に関して1ページ以上(出来たら問題1題で表・裏の1枚を使い切ると尚更良いと思います)を使ってください。そして細かく書くのではなくサイズ全体を使って書くのがポイントです。後で何度も見返す際に、いろいろと問題を分析して気がついたことや、公式、定理、法則などを、自分の言葉でかみ砕いて理解したことを書き加えていってください。

間違いノートを作成する際のポイント

間違いノート作りの心構え

作成の際に、「もう間違えないぞ」、「二度とまちがえないぞ」と自分に強く言い聞かせてください。そしてポイント等を書き込む際も、どうしたら間違いないかを常に念頭に置き作成することを心がけてください。
また、間違いノートを作っただけでそれで間違いが解決する訳ではないということをあえてここで強調します。間違いノート作りは第一歩です。作った後はそれ徹底的に潰し、その問題を自分のものにしてください。上記のマーク管理法や付箋を使うも有効ですし、あなたが考えられるあらゆる方法を講じて、間違いを入試までに潰して下さい。あなたにとって少なくとも間違いノートの問題は、日々努力している結果として巡り合った宝物でもあるのです。受験で勝者になるためには必要なものなのです。その宝物は真にあなたのものになるのを待っているのです。決して宝の持ち腐れにはしないで下さい。

間違いノート作成の基準は

間違えノートの作成で、ひとつ理解してもらいたいことがあります。それは、間違えた問題を全て間違えノートにするのではないと言うことです。
日頃の受験勉強の中で、間違えた問題を片っ端から間違いノートにしていくと大げさな言い方ですが際限なく増えてしまい、却って間違えノート作りが受験勉強の足を引っ張りかねません。
ですから間違えノートは本当に必要なところだけを間違いノートに作成すればよいのです。
では、その基準をどこに置くかと言うことになりますが、それは、間違えた問題、分からない問題に直面した場合、次もこの問題で間違いそうだと感じた時(自分に聞いてください。そして正直に聞いた自分に答えてください、そして答えはまた間違えそうだったら迷わず間違いノートにしてください)は作成してください。また、非常に重要な学習ポイントであり、解説を見たが自分の中ではまだ完全なものではなくいまだ未消化だと感じた場合や、そんなに難しい問題ではないが、何故か過去に何度も間違いを繰り返している場合など、間違いの重要度、頻度を勘案して作成するものとし、今後、同じ間違いをしないという決意を自分に言い聞かせる、自分に宣言するという意味で作成してください。

間違いノート作成のコツ

分野ごとにまとめる

間違いノートは教科ごとに作成することはもとより、できたら分野・単元ごとに分けて作るのが良いかもしれません。それは間違いノートのページ数が(個人差、得意不得意による教科ごとの差などで)飛躍的に増える場合があり(このような場合こそルーズリーフを使うメリットがあります)、持ち運びはもちろんのこと、使い回しがよくありません。そこで一定以上のページ数に達したら分冊するほうが良いと思いますので、教科ごとだけではなく、ケースによっては分野・単元ごとに作る方が良いと思います。また、模擬試験・過去問だけをまとめたものや問題集ごとにつくると良いと思います。

自分の言葉で

見直しの際に分かりやすいように自分の言葉でノートを作成してください。問題集の解答・解説の説明をそのまま使って書くのではなく、解説の抽象的な説明や難解な語句を自分の言葉に置き換えて具体例などを記入し書くことが大切です。間違えノートはあなたのものです。誰にも見せるわけではないので、どのような書き方をしてもかまわないのです。要はあなたにとってその問題が理解され、自分のものにすることだけを念頭において書けばいいのです。

きれいなノートにこだわらない 特に最初は汚く!

自分が分かる内容であればきれいなノートにこだわらないでください。特に新しくノートを作ったときはあえてきれいでないノートを作ってみてください。初めにきれいなノートを作ると、次回もそうせざるをえず、「間違い」をクリアするという当初の目的が、「きれい」なノートを作るという目的にすり替わってしまいかねないからです。(これは、物作りにこだわる日本人のDNAがそうさせるのでしょうか?特に潔癖症の人は注意してください!)きれいなノートにこだわらないと言うことは、受験生にとってなにものにも代え難い貴重な時間を無駄にせず、有効的に使うために必要なことです。(但し、あまりにも汚い字や乱雑な図解だと、見直しの時にかえって時間がかかりますので、適宜にお願いします)きれいなノートにこだわると、間違いノート作りが手間がかかりすぎて、結局挫折してしまうことを怖れるからです。ですから最初はあえてきれいなノートにこだわらないで間違いノート作りを始めることが肝心です。

コピーを貼る必要はない

問題をコピーして切り貼りして、後で書き込む方法もありますが、なるべくしないで済ます方が良いと思います。なぜなら一度コピーしてノートに切り貼りすると、確かに見栄えが良く仕上がるのである意味では良いのですが、前述の「きれいなノートにこだわらない」と同様に、次回も同じようにノート作りをしたくなり、毎回コピーを取りそれを切り貼りをしていくというその手間は馬鹿になりません。確かに英語の長文のなどは、長文を写す方がかえって時間がかかってしまう場合があるのでコピーの切り貼りしてノートを作った方が良い場合もありますが、要は時間を掛けないということを常に心がけて作成に当たってください。

簡単に書ける図や表、イラストなどをどんどん使う

理解したことを視覚化させるためや、理解したことを整理するために、イラストや図や表はどんどん使ってください。特に、図や表では左右に併記し、右と左に並べて、その対比した違いを記号や色などを使って強調し理解を促すことは効率の良いことです。

解法の順番に番号を振る・重要なポイントに強調した記号や番号を振る

間違った問題を問題集の解説等で自分なりに理解できと思えたら、その正答に至るまでの過程を書き出し、それに順番の番号をふってください。間違いノートの見直し時には、その番号を一つ一つなぞり、正答に至るまでの過程を順番ごとに理解し、その順番を覚えればよいのです。見直しにおいて、この過程(問題のストーリー)を思い浮かべることができれば、その問題はほぼ自分のものになったと考えてもよいと思います。試験ではこのストーリーをなぞり正答を導くわけです。
また、問題を自分のものにするために、重要なポイントの重要度・大事さに応じて記号を書いたり、番号をふるのも良いと思います。

  • 根本的に間違ってしまった考え
  • ついケアレスをしてしまった部分
  • 試験のトラップにまんまと引っかかってしまったポイント
  • 問題全体の中でその部分だけ分からなかった為に問題をロスしてしまった原因

等、その問題を解くために必要なポイントを本番でイメージできるためにも、記号や番号等を振って、近未来の間違いノートを見直すであろう自分に対して、二度と間違えないよう強い願望をこめて記号や番号で強調・アピールして下さい。

色を使い分ける

色を使うことは定番ですが、上記の番号や記号を使って強調することと同様に重要部分・ポイントには視覚的に目立たせるために色を使うといいと思います。3色ペンや4色ペンにこだわる人もいるようですが、重要度に応じていろいろと色を使い分けている人が多いと思います。ここでなによりも強調したいのは、色を使い分けることでなによりも大事なことは、色を何色にするかということよりも、色の使い分けに統一性、ルールを必ず決めて使うことです。色の使い分けに統一性がなければノートの効果も半減します。
ポピュラーな方法ではありますが、覚えなければならない重要事項や単語・語句等を赤ペン(赤色系のペン)を使って作成し、赤い透明なシートを使って暗記用の自家製教材にしてしまうことは、意外とおすすめです。

間違いノートを進化させよ

解法ノートは一度作ったら終わり、というものではありません。また、その作成方法もより良い方法が必ずあると思いますので、より効率のいい手順や手法などを常に考えるようにして、あなたの間違いノートを発展進化させてください。

最後に

間違いノートは常に自分の目の触れる手が届く身近に置くようにし、少しの時間を見つけては目を通すよう常に心がければ、間違いをどんどん潰せます。そうすれば最終目標の真の勝者になるのです。


TOP